侵略的外来水生植物であるナガエツルノゲイトウ、オオバナミズキンバイは、湖沼や河川などの水際に生育する水陸両生の多年生植物で、外来生物法の特定外来生物に指定されています。繁殖力が非常に旺盛で、駆除や生育の抑制が非常に困難で、分散能力も高く、漂着した葉や茎の断片からでも根を生やし、その場所で成長します。
これらの水生植物の繁殖圏の拡大は、日本の水辺の既存生態系への影響、水質や水産資源や農産物への悪影響などが心配されています。また、高齢化の進む日本においては、水辺や自然環境の保全活動においても人的労働資源の枯渇も深刻な状況にあるため、一刻も早い対策方法の確立が求められています。
NPO法人環境サステナブルリサーチラボでは、侵略的外来水生植物の調査研究を行い、新たな生育抑制技術の開発を実施するため、クラウドファンディングにより活動資金の調達を行い、多くのご支援を頂きました。
また、滋賀県の水草等対策技術開発支援事業に応募、採択されました。
ナガエツルノゲイトウ及びオオバナミズキンバイは、実験許可施設を有する隔離実験施設のみでしか取り扱うことができないため、実験許可及び隔離実験施設を有する研究機関と連携し、以下のスケジュールで新しい生育抑制技術の開発を進めています。
■ 試験実施スケジュール 試験計画策定
2020年8月 実験室内で繁茂抑制試験
2020年8月~12月 試験結果評価
2020年12月~2021年1月 対策法の具体化
2021年2月~ フィールド試験
2021年4月以降
現時点において、実験室内での繁茂抑制試験を継続実施しています。
ナガエツルノゲイトウ : 薬剤添加なし
ナガエツルノゲイトウ : 薬剤添加あり
薬剤添加により、ナガエツルノゲイトウの生育抑制効果が見られています。
今後、さらに実験を継続し、試験結果について詳細な評価を行っていきます。